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mini-innofaderの修理(とTraktor Kontrol Z2のフェーダーに関して)



PCDJ情報です。

知人から故障したmini-innofaderをもらったので、試しに修理してみたら元通りに動くようになりました。
分解した時の画像、やり方などを記録しておきます。
これはNIのTraktor Kontrol Z2に付いていたもので、市販のmini-innofaderと比べて仕様が異なっている事が分かったのでそれについても書いていきます。



先に結論を書きます。

・分解して、中にたまっていた埃や汚れを拭いて組み直したら元通り動くようになりました。
・Z2のmini-innofaderは市販のmini-innofaderとは違う仕様になっていることも分かりました。
相違点は、
 ◎市販品には「可変抵抗器」という回路が2つ分入ってますが、Z2に付いていたもの(以降「Z2品」と記述)には1個しか入っていませんでした(1個だから問題という事ではなく、仕様が違うため「Z2品」を他のDJミキサーに取り付けても正常に動かない場合があると思います)。
 ◎また配線チェック用のLEDランプも付いていませんでした。
・「Z2品」のフェーダーは縦とクロスでかなり重さが違います。分解して確認したところ、塗ってあるグリスの硬さの違いから来ていたようです。



【修理した「Z2品」のコンディションについて】

以前からZ2の持ち主の方から、
・フェーダーを切っても音モレする。
・動作に対して位置が(滑らかに移動せず)ぴょんぴょんと飛ぶ。
という異常が起きていたため相談を受けていました。

メーカーさんのサポートに問い合わせてもらったところ、
・設定ファイルをリネームすることでTraktorの設定を強制的に初期化
・フェーダーのキャリブレーションを実施
以上2つを試してみてくださいとのことで、
キャリブレーションによって症状は(結果的にほんの一時的にでしたが)改善されていました。

その後状態が悪化して、
・縦フェーダーの片方が、動かしても音が変化しない、動かし続けているとたまにわずかに変わる。
と全く使いものにならない状態になったため、フェーダー3つ全部をinnofader PNPに交換して、故障したものをもらってきたというわけです。



【「Z2品」の分解と修理の手順】


基本的にこちらの動画と同様の作業です。






(1) ツメの1箇所、ハンダが大きく盛ってある所をハンダ吸い取り器などではがします。
※周囲に部品が結構密集しているので壊さないように注意してください。吸い取ったハンダは修理が終わった後、付け直さなくても大丈夫です。

DSC_0056_2.jpg





(2) 基板と本体を固定しているツメを6箇所起こすと基板が簡単に外れます。

DSC_0059.jpg



※この位置に1つ小さいバネが付いています。無くさないように注意してください。

DSC_0060_2.jpg





(3) 中のパーツを取り出して状態を確認します。

DSC_0061.jpg



分解してみると、変形・割れ・潰れ・回路の切断など明らかに異常な箇所は無かったです。しかし磁気センサー周辺に汚れがかなり付着していました。これを拭き取れば何とかなるか…


DSC_0057.jpg



(4) 全部のパーツをバラして不織布で汚れをきれいに拭き取りました。



(5) レールに塗ってあるグリスも一旦全部拭き取って普段使っている潤滑剤(DeoxITの赤)を塗ったところ、かなり軽くなりました。

DSC_0062.jpg



(6) 組み直して動作確認したら、元通りに音が出るようになりました!




しかしここで問題発生。

うちのDJミキサー「Vestax PMC-06 Pro A」のクロスフェーダーに取り付けたところ、片チャンネル分しか動作しません。
片チャンネルはフェーダーの動きでしっかり切れるのに、もう一方は音が出っぱなしです。

縦フェーダーから取り外したものなので縦とクロスでは仕様が違うのかと思って、手元にある別のZ2のクロスフェーダーから取り外した「Z2品」と交換して試しました。しかしこちらも片チャンネル分しか動作しません。

縦フェーダーの「Z2品」と、クロスフェーダーの「Z2品」の両者を見比べても違いは無し。
とはいえ良く見ると、パターン図には書かれているのに取り付けられていない「抵抗」や「コンデンサー」がいくつかあります。市販のmini-innofaderと「Z2品」はどうも仕様が違うようです。市販品は「可変抵抗器」2つ分の回路が入っていますがZ2には1つしか必要ないので簡略化してるのかな?と思います。


※赤枠で囲ってあるあたりにパーツが取り付けられていない?感じです。

DSC_0071_2.jpg



あと市販品はケーブルの向き(表・裏)を確認するためのLEDランプが付いているハズですが、これも「Z2品」には付いていません。



今回は以上ですが、この記事に書いてある修理は個人的に理解している範囲で出来ることを試したら上手くいきましたという性質のものです。読んだ方が同じことをやっても故障が直るかどうかまでは一切保証できません。くれぐれも自己責任でお願いします。

実際に分解してみて中身はかなり精密な作りでした。ぶつけて一部曲がっているとかへこんだとかいう場合は、諦めたほうがいいんじゃないかと思います。


最後に。mini-innofaderは一般的な使用での耐久性は十分だと思いますが、本格的なターンテーブリスト・スクラッチャーの方が使うには残念ながら心許ないと言わざるをえません。innofader PNPへの交換を強く推奨します。



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AKAI AMX with SERATO DJ レビュー


PCDJ情報です。Twitterでは最新の情報を随時ツイートしていますが、ブログへの書き込みはかなり久しぶりになります。
今回AKAI AMXとSerato DVSを購入したので、レビューを書いていきたいと思います。


【 1. AKAI AMXについて 】

・AKAI AMXは24bit/96kHz対応のオーディオI/Fを内蔵したDJコントローラーです。
一般的なDJコントローラーが装備しているプラッターやノブ、スイッチ類をバッサリと減らして、大胆にコンパクト化した個性的な機種です。
・大きさは 横134mm x 縦271mm x 厚さ42mm、重さは0.8kgです。
・29800円(税込み)という低価格ながら、Serato DJが添付されています。

・Traktor Kontrol Z1と似たような特徴を持った機種ですが、
Z1はデッキを操作するスイッチ類を備えていない(MODE+CUEボタンでデッキの再生のみ可能)のに対して、数は少ないですがPLAY, CUE, BROWSE, LOADなどのスイッチを装備しており、「曲のブラウズとデッキへのロード、CUEでの頭出し、曲の再生・停止」の操作をAMXから行う事ができます。

・Loop, Sampler, Effect, BeatJumpなどPCDJならでは機能を使う場合はMIDIコントローラーをもう一台追加する必要がありますが、これらを使わずに曲を繋いでいくだけのシンプルなDJスタイルの方はこれ1台で済むと思います。
→Serato DJの多彩な機能を使う場合は兄弟機種AFXも一緒に買って使いこなしてください、という事だと思います。

・そして最大の特徴は、別売り(12,420円)のDVSパックを購入してターンテーブル/CDJを繋げば、『DVSシステム』になる点だと思います。
※コントロールレコード(2枚組4320円)も必要です。コントロールCDはSeratoのサイトでisoイメージとwavファイルが無料で配布されています。
http://serato.com/controlcd/downloads


従来Serato DJでDVSが使える機種は安いものでも、
RANE SL2か
DENON MC6000MK2
でどちらも7万弱だったので、AMXは画期的な低価格なのではないでしょうか。

※RANE SL2と同等の機能を持つDENON DS1という低価格機種の発売がアナウンスされています(海外では6月発売開始、価格は$299)。主に価格面でAMXの購入を検討されている方は、もう少し待ったほうがいいかもしれませんね(2015/5/30現在)。

・従って製品の特徴を十分に理解した上で購入するなら非常にコストパフォーマンスが高い製品ではありますが、『どちらかというと初心者向きではなく、DJスタイルが確立している中級者以上向き』の機種という印象です。


では、もう少し細かく見ていきたいと思います。

長所:
・小さくて軽い。持ち運びが楽。
何と言っても持ち運びの機会が多い方には、このサイズと軽さはうれしい所だと思います。

・Serato DJをバンドル
低価格帯のDJコントローラーではSerato DJ Introが付属し、別料金でSerato DJにアップグレード可能な製品が多いのですが、この機種は最初からSerato DJ(別途購入すると16,200円)がバンドルされています。
→またSerato DJを所有している場合はSerato Whitelabelにあるプロモ音源が無料でダウンロードできるという特典も付いてきます。
※一部著作権の関係で日本からはダウンロードできない曲があります。

・クロスフェーダーにmini-innofaderを搭載。
耐久性が抜群に高いクロスフェーダーとしてNIのZ2などでも採用されているmini-innofaderを搭載しています。
本体にクロスフェーダーのカーブを調整するノブとリバーススイッチを装備しています。またmini-innofaderは裏面のスイッチの操作でカットラグが調整できます。

・一般的なASIO及びMIDI対応オーディオI/F内蔵コントローラーであるため、DAWのオーディオI/Fとしても、他のDJソフトでも使える。
コンパクトなので、PCの脇に置いて楽曲制作用のオーディオI/F 兼 MIDIコントローラーとしても使えそうです。


短所:
・単独ではリアルミキサーにはならない(パソコンが繋がっていないと音が出ない)
→この価格なので難しいとは思いますが、PCと繋がっていない時でもNI Z2の様にDJミキサーとして使えればとても便利です。

・小さい筐体に多くのノブやスイッチが装備されていて多機能で便利な反面、レイアウトが窮屈で使い辛さは感じる。
・クロスフェーダーの下に手や指を置く空間がほぼ無い。
・本体下部のクロスフェーダー・カーブ調整ノブの出っ張りが気になる。
→このあたりも軽量・コンパクトという特徴の裏返しなので仕方ないと思います。

・コントローラーの機能のマッピングが変更できない。
→AMXではなくSerato DJ側の制限ですが、CUEボタンはテンポラリ(一時的)キューではなくホットキューに割り当てを変えたいと思っても出来ないわけです。マッピングを自由に変更できるTraktorに慣れているとストレスを感じる所です。

・Serato DJのライセンス(ソフトウェアを使用する権利)が分かりづらい
→AMXは別途DVSパックを購入すればDVSで操作できるようになりますが、Serato DJはあくまでAMXに付属します。そのため例えばイベントに出演する時にお店のミキサーがPioneer DJM-900NXSだったとして、Serato DJ + DVSで操作しようと思っても『AMXに付属するSerato DJのライセンス』はDJM-900NXSでは使えません。この様な時はもう1つSerato DJのライセンスを購入する必要があります。
他方でAMXに限らずRane SL2/3/4などSerato DJのライセンスがコントローラーやインターフェイス側に付属する機種は、パソコン側ではライセンスの認証自体が不要ですから一長一短だと思います(複数台のPCから1台のコントローラー/インターフェイスが制限なく使えますし、PCの買い替えや故障でライセンス移行の手続き中ソフトが使えなくなるという事も無いです。別途購入した拡張パック類はライセンスの認証は必要です)。
※AMXやSLのインターフェイスが『USBドングル』になっていると書くと分かりやすいでしょうか。
Serato DJ及び各種拡張パックのライセンスは一度理解すれば、ああそういう仕組みかと納得出来るんですが、結構複雑なので要注意だと思います。


といったあたりが気になりました。



【 2. 使用感 】

では続いて実際に使って気付いた事を書いていきます。

DSC_0045.jpg

「箱の外観です」


まず箱を開けて、「あれ?」と思ったのが、中に入っているマニュアルには英語、ドイツ語、スペイン語など外国語しか書かれておらず、日本語マニュアルが添付されていない事です。
あらためて箱を良く見ると裏面にステッカーが貼ってあり、pdfファイルをホームページからダウンロードする方式でした。また公式ホームページの「サポート情報(よくある質問)」のコーナーは英語のページにリンクが貼られているだけで和訳されてません。
AKAIは元々は日本の企業なのに(現在はNumarkやDENONなどと共にアメリカのinMusicグループ傘下のブランド名)日本のユーザーへのサポート体制が手薄になっているのは残念ですね。
「日本語マニュアル」も実質3ページと簡易です。DJソフトのインストールの方法については『serato.comから最新のSerato DJをダウンロードして、インストールしてください』としか書いてません。初めて買うDJコントローラーがこの機種で今までDJソフトも使ったことが無い様な場合に、果たしてこのマニュアルで理解できるんだろうか?と心配になりましたので、この点は指摘しておきたいと思います。


「箱の中身です。本体とUSBケーブル、マニュアル類が入っています」




「セッティングして使ってみます」


まず外観はプラスティック感が強いですが、黒を基調としてノブのシルバーと底面の赤がアクセントになった落ち着いたシックなデザインです。

本体のノブのうちMASTER, CUE MIX ,CUE GAIN の3つは表面がゴム加工されているため滑らず触り心地が良くて操作しやすいです。それ以外EQなどのノブはゴム加工はされていないですが、程よい重さとなめらかさで操作感は良好です。ノブは全般に細めです。


スイッチ類は柔らかめでストロークも浅く操作しやすいですが、もう1回りでも大きいほうが視認性が上がって使いやすくなるかなと思います。

縦フェーダーは少し固いです。

クロスフェーダーはとても軽くて使いやすいです。カットラグ(クロスフェーダーの左右どちらかいっぱいで音が一切出ない位置から、動かして行って音が出始めるまでのわずかな「あそび」)は3mmほどありました。スクラッチするには大きすぎるので後日調整する予定です。

クロスフェーダーのネジがむきだしなので指が引っかかるのではと購入前は少し不安だったのですが、プレートからわずかに引っ込んでおり実用上困るような事はなかったです。


上にも書きましたが、曲の演奏に必要な機能(曲のブラウズからデッキへのロード、再生、EQ、GAINや各フェーダーの調整)がこれ1台で済んで、それ以外の機能を使う時はもう1台MIDIコンを用意してくださいという明確なコンセプトが実際に使ってみてとても納得出来ました。


音質はクリアで高域までしっかり音が伸びて、聴きやすいです。低音は少し強めの味付けに感じました。多少好き嫌いが出てくる所かもしれません。


あとSerato DJの別売りの高音質タイムストレッチ・エンジン「Pitch 'n Time」の音質はかなり気になっていたので試してみました。「Pitch 'n Time」無しでテンポを変えるとヴォーカルにザラザラ感というか切り貼りした繋ぎ目がわかるかのような不自然さが結構強く出るのですが、「Pitch 'n Time」をオンにすると見事になめらかになり比較にならない程の変化がありました。Serato DJを使っている方には追加料金を払うだけの価値は十分ありだと思います。


またDVSでの使い心地については知人のターンテーブリストの方お2人にお願いして試してもらいました。しばらく一通りの操作をやってもらい横で見ていましたが、反応が良く使いやすいとのことで好評でした。実際に使わないと分からないような難点は特に無かったようです。ただやはりクロスフェーダーのカットラグの調整は必要とのことでした。

AMX1.jpg


本機種はDVS対応でmini-innofader装備とターンテーブリストかHip Hop DJ向けという印象ですが、インターナルモードの2デッキの操作でも十分な実用性があると感じました。
そのため、もし外部入力端子無し、クロスフェーダーも耐久性がそれほど高くないものでバンドルソフトはSerato DJ Introでその分安いAMXの下位機種が製品化されれば、かなり魅力的なのではと思います。


今後更に使っていって、近いうちにまた詳細なレビュー記事を書く予定です。


【 3. 今後の予定 】

・AKAI AMX + Serato DJの実戦的な使用でのレビュー
・Serato DJの各種拡張パック(エフェクトパック、Flipなど)のレビュー
・カットラグの調整
・Traktor (Scratch)との比較、DVSのレイテンシーの厳密な測定。
・その他、耐久性など使っていくうちに分かっていくことを補足。


あと、2年半ほど前からスクラッチの練習を続けているのですが、最近ようやくどうにか人様にお見せできる一歩手前ぐらいには上達してきたので、AKAI AMX + Serato DJを使ったスクラッチ・ルーティンを作り始めたところです。
だいぶ前に書いた「MIDIコンで始めるスクラッチ」という記事もなかなか上達しないので続きが書けず「書きかけ」で止まっていましたが、近いうちに仕上げて完成させる予定です。



【 4. リンク集 】

『メーカー公式ページ』
http://akai-pro.jp/amx/

DJ DRAGONさんのブログ、『タンテでSeratoを始めるならAKAI AMXがお得!』
http://kizaidragon.blog14.fc2.com/blog-entry-383.html

OTAIRECORDさんの解説動画、『AKAIから話題のコントローラー"AMX""AFX"の魅力に迫る!』
https://www.youtube.com/watch?v=hwIOlCItE64

ミュージックハウスフレンズさんの紹介記事と動画、『必見動画☆AKAI AMX / AFX 徹底解明☆『Serato DJ 』DVSプレイ対応、快適』
http://ameblo.jp/musichousefriends/entry-11939545691.html


PCDJコントローラー Reloop Beatmix 4 レビュー


【レビューを書くことになった経緯】


先日いつもお世話になっている楽器屋の方から、
『ディリゲントさんから「○○さんPCDJ情報の人の知り合いですよね?Beatmixの新製品をお貸しするのでレビューをお願いしたいんですが?」という感じで話が来てるんですがどうします?』
という連絡が来ました。

大変ありがたいお話ですが、レビュー記事を書くのに十分な時間がタイミング良く取れるかどうかその時点ではわからなかったので迷いましたが、余裕のあるスケジュールで構わないという事だったのと、あとはやはり、PCDJユーザの役に立つ情報を各地から探してきてTwitterやブログなどに書く「PCDJ情報」の地道な活動を認めて頂いた上で製品のレビューを依頼してもらえたのはとても光栄な事なので、お受けしてこのエントリを書きました。



【Reloop Beatmix 4について】

Reloop社は1996年にドイツで創業されたDJ機器メーカーでヨーロッパを中心に高い知名度と人気を誇るブランドです。
日本では株式会社ディリゲントが2012年の秋から販売代理店となり取り扱いを開始しました。Reloopはヘッドホン、DJミキサー、ターンテーブル、PCDJ用DJコントローラーなどDJ機器全般を製造販売していますが、中でもBeatmixというDJコントローラーは2万円台前半の低価格ながら高い質感と充実した機能で好評を博しました。
その後継機種として今年6月に発売開始されたのが2デッキ対応のBeatmix 2と4デッキ対応のBeatmix 4になります。どちらもバンドルソフトはSerato DJ Introです。Beatmix 4のみ初回100台限定でSerato DJが付属するキャンペーンが実施されています。

今回のレビュー対象は4デッキ対応のBeatmix 4ですが、上記のような事情のため、Serato DJ、Serato DJ Intro両方での使用感をレビューしました。




【第一印象】

「大きさ」

Pic1.jpg
 [普段使っているA4ノートPCとの大きさ比較]

以前NIのTraktor Kontrol S4を使っていたことがあるので、大体予想通りでしたが4デッキにしてもサイズは少し大きめです。

幅は大きいですが、底面パネルの特殊な形状など少しでも軽量化するための工夫が随所に見られます。

4デッキ対応で小さめの機種もいくつか出てきていますが、
メーカーのホームページの記述によると、
視認性や操作性を高めて使いやすくするというコンセプトのため、あえてこの大きさになっているとのことです。
確かにジョグホイール、スイッチやパッドにもっと小さいパーツを採用したり、パーツの間隔を狭めれば小さくする事は容易に出来たと思います。

Numark Mixtrack Quadあたりの機種は、全く考えが逆で小型・軽量化のほうが優先されています。
どちらが良いかは使う人の好みと使い方次第だと思います。


「見た目」

白・黒・グレーのモノトーンにシルバーで落ち着いた好印象です。
外枠の白でキリッと締まった感じです。


「軽く触ってみる」

・ジョグホイール
最近の機種はジョグホイールに軽くて小さめのものを採用している機種が多いのですが、Beatmix 4はかなり大きめで程良い重さがあり手触りもいいです。スクラッチしやすい大きさです。

この製品の最大のセールスポイントはジョグホイールなのではないかと思いました。
ジョグホイールを頻繁に使うDJスタイルの方には強くおすすめできる機種です。


・ノブ
ノブは程よい重さです。
ノブのキャップはプラスティック製(高級機では滑りにくくして操作性を高める目的でゴム製が使われている事が多い)ですが、太さがあって細かく溝が刻んであるため、手にしっかりなじみます。
本体中央の曲をブラウズする際に使う黒いノブのみ、使用頻度が多いせいか、金属製で高級感があるものが採用され、外観上のアクセントにもなっています。


・フェーダー
クロスフェーダーはかなり軽いです。縦フェーダーはクロスよりは重めです。
ピッチフェーダーはそれより更にもう少し重めと用途に応じた異なる質感になっています。
ストロークはクロスと縦が45mm、ピッチフェーダーは60mmとこちらも用途に応じて使い分けられています。
クロスフェーダーは左右の端で枠に当たった時のカチカチ音が大きめです。気になる方はネガティブな意味で気になる所だと思います。

・スイッチ
スイッチ類はストロークは浅め。クリック感は強くて固めです。

・パッド
パッドは軽くて、クリック感が無いタイプです。非常に押しやすいです。
パッドを叩く強さを感知するヴェロシティ検出機能は付いていません。



【Serato DJで音を出してみる】

ではDJソフトをインストールして、実際に使ってみます。

まずSeratoのHPから最新版をDLしてインストールしました。
※SONYのVAIOをWindows7 (Home Premium/64bit)で使っています。

USBケーブルを挿した瞬間にLEDランプがぱっと華やかに点灯する演出が用意されていました。

LEDランプには緑、赤、オレンジ、青、白、パープルの6色が使われていますので、
電源オフ時のモノトーンで渋めの印象から一転してポップな色合いになります。

Pic2.jpg
 [明るい色のLEDランプが多く使われているので華やかです。]

音を出してみます。

音質はクリアで、変な色付けがされていない素直な音でした。
Beatmix 4は価格面ではエントリークラスという位置づけです。
エントリークラスの製品ではフロアノイズ(曲を再生していない無音状態の時に出ている微弱な雑音)が多めに出る機種が結構あるのですが、Beatmix 4はフロアノイズはほとんど無くかなり優秀です。DTM用途にも問題なく使えるぐらいの品質だと思います。


操作性は既に他のDJコントローラーを使った経験がある場合、まず「見た目通り」です。マニュアルなどが無くても使いこなせるのではないかと思います。
PCDJシステムでのDJプレイに必要な機能は一通り装備されていて、すぐに使えるようになっています。


『"VIRTUAL NEEDLE POSITION"はとても便利』
スクラッチやジャグリングをする場合、決まった位置までジョグホイール(プラッター)を巻き戻したり、送るという操作を行います。その際に位置がしっかりコントロールさせているかどうかの精度で上手いか下手かがはっきりと音に出てしまいます。

アナログの場合はマーキングと言って、レコードにシールを貼って目印にしますが、それと同等のことをこの機能が果たします。

Pic3.jpg
[レコードにこんな感じでシールを貼ってマーキングします。]


"VIRTUAL NEEDLE POSITION"は、いざ使う前は(PCDJは音の位置は画面で波形で見れますから)必要性すら感じていなかったのですが、一度使うととても便利で無くなったら困るぐらいの優れた機能でした。
※Beatmix 4にのみ装備、Beatmix 2には付いていません。

ところでこの機種には多くのDJコントローラーに付いているSCRATCHモード切り替えスイッチが付いていません。
そのためプラッターに触れた瞬間に再生が止まってしまい不便に感じるのでは…とちょっと心配していました。

しかし実際に使ってみると真ん中の金属部分に触れずに(触れるとデッキの再生は瞬間的に止まります)周囲のプラスティックだけに触って回転させ、ピッチベンドすることが容易にできました。
SCRATCHモード切り替えスイッチを備えていないことも納得です。


パッドの反応は予想通りとても良いです。
パッドはモードをA、B、スプリットと3通りに使い分けられる仕組みになっています。


その他、エフェクトのノブをオフの位置から上げていくと自動的にONになったり、SHIFTキーで各種スイッチに複数の機能が効果的に割り当てられていて、相当練りに練ってこの仕様になっているんだろうというのが使ってみてよくわかりました。

Pic4.jpg
[パッドやノブは使いやすい大きさ・配置で、感触も良好です。]





【Serato DJ Introでも使ってみる】


Beatmix 4の初回出荷分のみ"Serato DJ"が添付されていますが、それを過ぎてしまうとバンドルソフトは"Serato DJ Intro"になるようです。そのため"Serato DJ Intro"でも使ってみました。


SeratoのHPから最新版をDLしてインストール。


Serato DJ Introを起動。


あれ??Hardware Disconnectedというメッセージが表示され起動しません。
Serato DJでは問題なかったのですが…


同じ症状になっている人がいないか検索して調べた所、どうやらWindowsではASIOドライバのインストールが必要だったようです。

ReloopのHPからASIOドライバをダウンロードしてインストールしました。


気を取り直してSerato DJ Introを起動。
今度は無事立ち上がりました。


この機種はDJ Introでも4デッキ使えますし、サンプラーもエフェクトも装備されていますので、曲をプレイする目的にはSerato DJ Introでも十分だと思います。


DJ Introも他のDJコントローラーを使った経験がある方には「見た通りの機能・操作性」です。Serato DJより細部は1ランク落ちるものの、PCDJシステムでのDJプレイに必要な機能は一通り装備されていて、すぐに使えるようになっています。


ただ1つ残念な所が…
DJ Introでは"VIRTUAL NEEDLE POSITION"が使えないようです。
ジョグホイールのランプが全く光りません。仕様だと思うのですが、もったいないですね…

あとやはり先に上位のソフトを使ってしまうと、画面のレイアウトも地味な感じがしますし、標準で装備されているエフェクトの種類も少ないなど物足りなさが気になってしまいました。




【総評】

『良かった点』

やはりジョグホイールの質感が大変良かったです。"VIRTUAL NEEDLE POSITION"機能は大変便利です。
音質も価格帯から予想した以上でとても高品質でした。パッドの質感も良かったです。
必要な機能が丁度よく取捨選択されてバランス良くまとまっている機種だと思います。
独特の個性的なデザイン(色合いや形状)も良いと思います(ここは、好き嫌いが分かれる所かもしれませんが)。



『気になった点』

ジョグホイールの感度調整機能、クロスフェーダーのカーブの調整機能がありません。入出力系統も少なく外部入力はマイク1系統のみ、出力端子はヘッドホンとRCA端子でのマスター1系統のみです。
基本機能の充実を優先させるためだと思いますが、不要と判断した箇所はかなり思い切ってカットされている印象です。

では実際に使ってみてどうだったかというと、使いづらいと感じた事は特にありませんでした。クロスフェーダーのカーブ調整はDJソフト側で出来ますし。

ただ4デッキ対応機種を探している場合、外部機器(ターンテーブル,CDJ)とミックスしたいと思っている方もいらっしゃると思いますが、そういう用途だとBeatmix 4は選択肢から外さざるを得ないでしょうね。

また金属製のパーツが少ないため、残念ながら見た目の高級感は乏しいです。これは元々高級感の演出はあまり狙っていない機種だと思いますし、1つ前の世代のBeatmixと比べれば、デザイン性の向上などによって質感は上がっていると思います。

あとSerato社のDJソフト特有の制限になるのですが、コントローラーとDJソフトのマッピングが出荷時点の状態から一切変更できません。DJ Introだから機能制限されているということではなく、Serato DJにアップグレードしてもマッピングは変えられません。
この点はソフトがSerato DJであれば追加のMIDIコントローラーに対応しているため、もう1台MIDIコンを繋いでそちらで自由に機能をマッピングすることが可能です。

Serato社のユーザーフォーラムでもこの制限への不満は結構多く見かけまして、PioneerのDDJ-SXに対してはメーカー公式アカウントから「将来的にマッピングのカスタマイズ機能をサポートする予定」との回答がありました。他社のコントローラーも同様に制限か解除されるといいのですが。



『最後に』

今回4デッキ対応のBeatmix 4をレビューさせて頂いたんですが、4デッキ対応のライバル機に何があるか改めて確認したところ意外に少ないんですね。

・Numark Mixtrack Quad 実売3万弱
・DENON MC6000 mk2 実売7万弱
・Native Instruments Traktor Kontrol S4 実売7万弱
・Veatax VCI-400 実売7万強
・Reloop Terminal Mix 8 実売10万弱
・Pioneer DDJ-SX 実売10万
・Numark NS7II 実売15万
・Pioneer DDJ-SZ 実売20万

と、高価格帯では種類も多いのですが、比較的安めの価格帯での選択肢が極端に少ないですね。Mixtrack Quadではちょっと…という場合、いきなり値段が倍以上の製品しか無いという状態で、その間に現れたのが
・Reloop Beatmix 4 実売5万弱
ということになります。

しかも今ならSerato DJ(別途買うと1万6千円です)が付いてますからお買い得ですね。

4デッキ対応でエントリーから少し上の機種を探している方で、仕様面で不満な点が無い(外部機器とのミックスが出来ない事など)のでしたら、自信を持っておすすめできる機種です。

あとSerato DJはSerato VIDEOを追加購入することが出来ますから、VJに興味がある方にも有力な選択肢となるのではないかと思います。



最後にDJコントローラーやDJ機器を選ぶ際のポイントについて少々書きたいと思います。

初心者・初級者の方は周囲の詳しい方のご意見(1人ではなくなるべく複数)を参考にして頂きたいと思います。

既にDJを始めている方は、ご自身のDJのプレイスタイルにはどんな機種が適しているかをご自分で判断出来るとは思うのですが、ネット通販やネット上のクチコミが発達した現在であっても、実際に実物を見て触ってみないと分からない事はとても多いです。そしてDJ機器はその傾向がかなり強い商品なのではないかと思います。
微妙な色合い、質感、手触り、ノブ・フェーダーの重みや反応、スイッチのストロークの高低・クリック感の有無や硬さ、音質、他機種と見比べた場合の存在感、価格との兼ね合いなど、感覚に左右される要素が多いからです。

大都市圏以外ではDJ機器を扱っているお店自体少ないため難しいことではありますが、ネットや紙媒体から入手できる情報で候補を絞り込んで、最終的には店頭で実際に使ってみてから購入するのがベストだと思います。それが出来ない場合は信頼できるお店のスタッフの方・DJ仲間の方のご意見を参考にして頂きたいと思います。

ご自身のDJスタイルに最適な1台を見つけて、DJライフをエンジョイしてください。



※『参考サイトへのリンク』

< Reloop Beatmix 4(発売元・ディリゲントさんの製品紹介ページ) >
https://www.dirigent.jp/product/brand/reloop/beatmix4.html


< Reloop Beatmix 4(開発元・Reloopの製品情報ページ) >
http://www.reloop.com/reloop-beatmix-4


< PowerDJ'sさんのブログの紹介記事。「Reloop Beatmixがよりスタイリッシュに!より多機能に!Beatmix 4/Beatmix 2発売!」 >
http://shop.plaza.rakuten.co.jp/dj/diary/detail/201406090000


< ミュージックハウスフレンズさんの動画。「【突撃レポ】開発秘話編 Reloop(リループ)Beatmix 2 /Beatmix 4」 >
https://www.youtube.com/watch?v=GnprwycqwDA


< ミュージックハウスフレンズさんの動画。【【突撃レポ】機能詳細編 Reloop(リループ)Beatmix 2 /Beatmix 4 >
https://www.youtube.com/watch?v=Z6L5QtKeAFo


< Serato DJの製品紹介ページ(国内代理店・ディリゲントさんのページ) >
https://www.dirigent.jp/product/brand/serato/serato-dj.html


< Serato DJの製品紹介ページ(開発元Seratoのページ) >
http://serato.com/dj


< DJWORXによるBeatmix 4のレビュー(英文です) >
http://djworx.com/review-reloop-beatmix-4-dj-controller/#.U8Ntevl_uSp


< Digital DJ TipsによるBeatmix 4のレビュー(英文です) >
http://www.digitaldjtips.com/2014/03/musikmesse-2014-reloop-beatmix-4-delivers-four-deck-serato-dj-control-e300/



TraktorのRemixDeckでパッドを叩く強さで音量をコントロールする方法

「はじめに」

今回は、先日"DJTechTools"で公開されたこちらの記事に書いてある
"Velocity Sensitive Control of FX + Remix Decks in Traktor"

「パッドを叩く強さでRemixDeckの音量をコントロールする」

が、実際にその通りに動作するか確認しました。
結果、記事にある通り、音量のコントロールができました! (さすがDJTechTools!)



「対応しているMIDIコン」

これはTraktorのマッピングで"Slot Volume Adjust"という値に、叩いた時の力の強さを毎回送ってやればいいのですが、パッドがベロシティ(強さを数値に変換して送出する機能)に対応していない機種では、マッピング出来ません。

具体的には、
・NI Kontrol F1
・Novation Launchpad
あたりではベロシティを送ってくれません。

・AKAI MPX8
・NI MASCHINE
・KORG nanoPAD2
あたりは(実際に使ったことは無いのですが)商品説明で調べた限りでは大丈夫だと思います。

うちにある機材の中では、KORG microKontrolが対応していたので、これを使いました。


「設定箇所」

1個のパッドに対するマッピングで

・"Slot Volume Adjust"
・"Slot n1 Cell n2 Trigger"

の2個を、この順番で追加します。これだけです。

Velocity1.jpg


パラメータの詳細はこのようにします。

・"Slot Volume Adjust"
Velocity2.jpg


・"Slot n1 Cell n2 Trigger"
Velocity3.jpg


ノート・オンのタイミングでベロシティに応じた音量でセルの音が再生され、
ノート・オフのタイミングでベロシティがゼロになります。


各セルで、

Velocity5.jpg


"Play Type"(黄色い矢印の箇所)は"One-Shot"にしましょう。
"Trigger Type"(赤い矢印の箇所)は"Latch"か"Gate"、お好みで。


要注意点として、
"Preferences"→"Transport"→"Cue Play(CUP) Mode"
が"Instant"でなく"On Release"になっていると、音が上手く出ません。

Velocity4.jpg


パッドを叩いた瞬間でなく、叩いた指を離す瞬間に音を出すという設定になってしまうためです。ここが分からず、かなり時間を無駄にしてしまいました。



「その他」

ループ素材がパッドを叩く強さで音量が変わると、すごく使いづらくなってしまいます。
DJTechToolsの元記事の様にModifierで「ベロシティを使用するモード」と「使用しないモード」の切り替えボタンを作ってやって、使い分けたほうがいいと思います。

おそらく将来的にはTraktor本体が機能強化して、RemixDeckにベロシティが付けられるんじゃないかと思うので、今回のエントリーは過渡的な情報になると思います。

それでも、これ自体かなり簡単に出来ますので、興味を持った方はぜひご自分で試してみて頂きたいです。
特にMPCなどでのフィンガー・ドラミングを得意とする方は、DJプレイ中にこれをやったら相当目立つ!と思いますよ。


USBで端子によって周辺機器の挙動が変わる件の原因と対処方法(の一例)

[ 1. はじめに]

通常パソコンには複数のUSBポートが付いていますが、刺す場所によってUSB周辺機器が正常に動作したりしなかったり、もしくは複数の周辺機器を使っている場合はポートの組み合わせで動作が不安定になるという話を以前から聞いていました。

例えば、こういう様なことです。

「iMacのUSBが端子によって速度が2倍違う件」
http://kumadigital.livedoor.biz/archives/51824240.html

「Lifehacking.jp MacBook の2つの USB ポートには違いがある…?」
http://lifehacking.jp/2008/05/difference-of-macbook-usb-ports/

どんな理屈でそうなるのか気になったので、調べてまとめてみました。



[ 2. 参考にしたサイトなど]

「USBインプリメンターズ・フォーラム(本家)」
http://www.usb.org/home

「通信用語の基礎知識 USB Root Hub」
http://www.wdic.org/w/WDIC/USB%20Root%20Hub

「121ware USB デバイスの電力消費を確認する」
http://121ware.com/qasearch/1007/app/servlet/relatedqa?QID=004080

「Microsoft technet デバイスに対する USB 電力および帯域幅の割り当てを表示する」
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc772242.aspx

「Microsoftコミュニティ 質問:USBルートハブのプロハティに表示される『必要な電力』について」
http://answers.microsoft.com/ja-jp/windows/forum/windows_other-gaming/usb%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8F%E3%83%96/0157d901-f402-446e-bff3-1a9029c25595

「ITmediaエンタープライズ USB機器の消費電力を確認する」
http://www.itmedia.co.jp/help/tips/windows/w0563.html

「M-AUDIO MacBook/MacBook ProにてUSB端子を使用する条件」
http://www.m-audio.jp/index.php?do=support.faq&ID=d01380c0edebb8d0bfd34997f4e3a0ce

※TwitterなどSNSでも情報をいただきました。ありがとうございました。



[ 3. 調査結果]

恥ずかしながら「ルートハブ」と「USBポート」の違いを十分に理解していなかったため混乱しましたが、両者の違いを理解すれば発生している現象と原因の辻褄がおおむね合いました。既にご存知の方はこの先を読む必要は無いかもしれないです。


まとめると以下の様になります(MacでもWindowsでも同じ仕組みで動いています)。

・PC内に「ルートハブ」という電源のコンセントのようなものがある。

・「ルートハブ」の数は、パソコンの機種によって予めハードウェア的に決まっている。

・USBポートの数も、パソコンの機種によって予めハードウェア的に決まっている。
(もちろんUSBハブを使えば拡張できます)

・「ルートハブ」1個に対して供給できる最大電流が(USBの規格で)決まっている。
( USB2.0では500mA、USB3.0では900mA )

・USBポート1つあたりから供給できる電流が決まっているのでは無い点に要注意!

・従ってUSBのポートが2つ付いているパソコンでも、内部で同じルートハブに繋がっていれば、2つの合計で500mAまで(USB2.0の場合)、900mAまで(USB3.0の場合)しか給電できない。

・パソコンを買った時点で内蔵Webカメラ、SDカードリーダなどが『パソコン内部』でルートハブに繋がっていることがある。その場合は、
ポートに供給可能な電流 = ルートハブから供給できる電流 - 内蔵Webカメラが消費する電流 - SDカードリーダが消費する電流
となる。

・電源同様にデータの転送幅もルートハブ内で奪い合う形になる。

・デスクトップパソコンの場合は、ルートハブの数 = USBポートの数 である事が多いので、ルートハブとUSBポートの違いを気にする必要があまり無いが、ノートパソコンの場合、複数のUSBポートが1つのルートハブに繋がっている事が多いため、問題が起きる可能性も高い。

・最初に挙げたいくつかのトラブルの原因は、ルートハブに複数のデバイスが接続されていることで給電能力もしくはデータの転送速度が低下したためと考えられる。


またMacの比較的新しい機種では規格を越えた1100mAの供給能力を持っていることもわかりました。
(全てのポートでは無いようですが)

※参考リンク
「MacBook Pro 17インチ USBポートの給電能力の違い」
http://iici.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/macbook-pro-17-.html

「Apple Computers and Displays:USB 経由の周辺機器への電力供給」
http://support.apple.com/kb/HT4049?viewlocale=ja_JP

一方Serato公式のサポート情報には、この様な記述もあります。

「Macのコンピューターには通常、”当たり”と”ハズレ”の(供給電力に違いがある)USBポートが存在します。インターフェイスを他のUSBポートに挿して改善されるか確認してください。」

「Serato Scratch Live Support USBドロップアウト(異音、音の途切れ)が起きた際のトラブルシューティングガイド (Mac)」
http://serato.com/scratchlive/support/15941/usb-mac


※Macの各機種毎の詳細な情報を探したんですが見当たりませんでした。気になる方はApple社にお問い合わせください。



[ 4. 実際の例 ~ うちのパソコンではこうなってました]

私が現在使っているパソコンはSONY VAIO Eシリーズの2011年秋モデル・VPCEH28FJという機種です。
ルートハブ、USBポートと、給電能力の関係がどのようになっているか確認しました。

まず、USBポートの数は
本体側面の左側に1つ、右側に3つ、計4つです。
※USB3.0対応以前の機種のため全てUSB2.0のポートです。

続いてルートハブの数は
「コントロールパネル」→「デバイス マネージャー」から確認したところ2つでした。

DeviceManager1.jpg



さらに各USBポートがどのルートハブに繋がっているかを実際にUSBデバイスを刺して確認してみました。
まとめるとこの図のようになってました。
USB構成図


「ルートハブ1」

供給可能な電力 500mA = 内蔵USBカメラが必要な電力 になっています。

RootHub1.jpg


続いて「ルートハブ2」
(1) iPod nano
(2) USBマウス
(3) Vestax VAI-40(USBオーディオインターフェイス)
の3つのデバイスが繋がっています。
3つ繋いだら電力が足りなくなってしまってます!!

RootHub2.jpg


4ポート付いているけど全部が1つのルートハブに繋がっているため、全体で500mAしか供給できない構成でした。
周辺機器の消費電力をかなり気を付けて使わないと、電力不足になる可能性が高い機種だということがわかりました。

※Macの場合も「システムプロファイラ」から同様に供給可能な電流などが確認できるようです。



[ 5. 対策 ~ トラブルを未然に防ぐために]


(1) 自分が使っているパソコンのルートハブの数と各ルートハブから供給可能な最大電流を把握しておきましょう。

(2) パソコンに装備されている各USB端子がどのルートハブにつながっているかを、把握しておきましょう。

(3) 普段使っているUSB機器の最大消費電流を把握しておきましょう。

(4) 各ルートハブには供給可能電流を超える負荷を与えないようにしましょう。

(5) USBポートからの給電だけではなく、ACアダプタを使える機器ではACアダプタを使ったほうが安定した動作が期待できます。そのためPCDJ/MIDIコントローラやオーディオインターフェイスは、USBバスパワーとACアダプタの両方に対応した機種を選んだほうが無難かなと思います。


[ 6. おわりに]

今回は、正常に動作しない、もしくは使用中に不安定になる要因を調べましたが、どの端子を使うかで音質に影響するかどうかは検証していません。ただ、もし給電に問題がある=異常な状態 だったら音質を比較しても意味が無いとは思います。
USBコントローラやD/A(やA/D)コンバータ、オペアンプなどが規格で許容されている範囲内の電源電圧・電流の変動でも音質は変わるのか?という話になると思いますが、一度USBオーディオインターフェイスやデバイスドライバなどを実際に開発されているエンジニアの方に詳しく話をうかがってみたいものです。

上記の内容は様々な理由で起こるUSBのトラブルの、あくまで一例について調べたものですので、その点ご了承頂きたいと思います。


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